介護ロボット・ICT導入ではなく、DXを推進する理由
2023年、地域DX推進事業に参画させて頂き、DXという概念が介護事業所の生産性向上に効果があるうちの一つと思えるようになりました。
2020年以前
2015年(平成27年)より介護ロボットに関わるようになり、いろいろな提案をするものの、介護現場が改善していかない現状に悩んできました。
2020年(令和2年)に行ったAMEDロボット介護機器開発標準化事業において実証した結果、介護ロボットやICT機器の導入の前にやっておかなければならない下準備があることが分かりました。
2021年~2023年
上記の求人応募件数増、新人定着率改善、総勤務時間数減は取り組み開始9ヶ月で達成することができました(投入金額250万円、人件費減は1,000万円でした)。
2021年(令和3年)はコロナ禍を利用して意識の変化に取組みました。これは入居希望者をもっと増やしたいという現場からの要望で検討をしました。
ここで私たちは、当時福島県南相馬市で行っていたスマートシティを活用したまちづくりのノウハウを取り入れました。ロボットの佐藤知正東京大学名誉教授と、認知症予防を実践されている同じく東京大学の酒谷薫先生からの紹介で、鹿児島で山下積徳先生が開講されている体験型健康医学教室(りんご教室)を受講しました。
これは、入居希望者獲得の目的が大きかったのですが、施設内での意識を大きく変えるきっかけになりました。地域との連携は必要というのは分かっていながら、なかなか本質的な理解を得ることはできていませんでした。しかしながら、体験型健康医学教室という予防の知識を持つことで、接点を作るチャネルを増やすことができ、結果的に稼働率増、収入増につながりました。
これは、収入と経費、稼働率、空床率の意識を共通理解としたうえで、さらに地域との連携を重視したことで実現したと考えています。
今後の取組(事業所内のデジタル人材育成)
ここまで意識の変化が浸透してくると、いろいろなことにチャレンジする土壌ができてきました。ここからはデジタル人材の育成に取り組んでいきます。
私たちは順番が前後しましたが、結局はここに取組めるようになりました。すでにMicrosoft Teamsの活用(思ったより簡単に使いこなしています)は始めています。さらに使いこなすためのPowerシリーズです。
今後展開するとしたら
今後、お困りの事業所様に展開していくとしたら、最短期間でご案内することが可能です。またコロナ禍以降、活用の幅が広がっている補助金助成金も活用可能です。ぜひご相談ください。
ロボット・ICT機器導入ではなくDXを推進するのか?
現場スタッフの意識改革が一番難しく、一番のハードルです。すでに働き方の改善が進んでいる事業所様は、私が提案している内容はすでにクリアされていると思います。
私がサポートしたいと思っているのは、現場を変えたいと思っているけど、どこから手をつけていいか分からない、うまくいかないと試行錯誤されている方々です。
あえてDXを推進するのはなぜかというと、そろそろ覚えるべき基本スキルが決まってきたからです。ローコード、ノーコードとエンジニアでなくてもいろいろなことができると言われ始めていますが、基本的な考え方はどれを使っても理解しなくてはなりません。
また、特定の企業の宣伝になってしまうとよくないかもしれませんが、Microsoft社の提供しているサービスのレベルが上がっており、今使っていないと今後さらに使いこなすハードルは上がってしまうのではないかと危惧もしています。
また、他業界はさらなる賃上げの流れになっています。そんな中で専用ソフトで頑張ってしまうと他業界との乖離も進んでしまうのではないかと思っています。
介護技術だけでなく、多方面で成長できる環境を提供していきたいと思います。