FTcare-iTOS ケアマネジメントサイクルを活用した業務時間分析システム
生産性向上推進に必要だった事前の分析(仮説)
介護ロボットやICT機器のキャッチコピーとして、例えばある業務の3割を削減できますというような表現が使われていますが、業務時間の最適化を検討すると、多い場合は収入の1割近くが変動する予測を立てられる場合があります。金額に換算すると月100万円を軽く超えます。
きちんと管理運営されている場合はもちろん余計なお世話ということになりますが、まずは事前に現状を把握しておくことをおススメします。
事前分析ツールと生産性向上支援ツール
私たちは2つのツールを組み合わせて、現状分析及びその後のPDCAサイクルの構築を促進します。詳細はそれぞれのページをご確認ください。
開発の経緯
令和2年度国立研究開発法人日本医療研究開発機構「ロボット介護機器開発・標準化事業(開発補助事業)」介護業務支援分野に採択された株式会社エフトス様の分担研究として、弊社が業務時間分析結果を活用した業務改善の実施部分を担当しました。特別養護老人ホームで行った実証事業では、業務量に応じた業務改善目標の設定、不足時間の介護スタッフの人材募集、動画マニュアルや研修方法の再構築による定着支援等を実施し、1年後には派遣スタッフゼロ、業務提供時間-13%、残業時間90%減を達成し、人件費で15%の収支改善を実現しました。
介護事業所の生産性向上でまず実施が推奨されているのが、介護業務時間の分析です。通常、タイムスタディといわれる作業を行って時間を分析していきますが、人員不足が課題になっている介護現場に余裕はありません。
(2023年3月)
私たちは、すでに作成している介護計画、勤務シフト、少しのヒアリングで1ヶ月分のシミュレーションを実施するツールを作成しました。根拠のある資料により、介護施設の人員不足、生産性の向上のお手伝いを行います。
(2024年3月)
2023年7月より参画した地域DX推進事業により、より多くの事業所で簡易に介護ロボット・ICTの導入がうまいくよう問題を整理してきました。
介護施設の人員不足は年々深刻になっており、新しいことに取組む余裕は少なくなってきます。それでも取り組む必要には迫られており、どこから手をつけたらいいか、スタッフ全員が共通理解することが大切です。
地域DX推進事業に参画させて頂いたことで、いわゆるデジタル化(ロボット・ICT導入)だけでは、うまくいかない理由が分かってきました。
私たちはまず改善活動によってどれくらいの改善効果を見込めるかを分析できるか検討しました。今回の開発ツールを活用することで、いくつかの問題を特定できることが分かりました。その後の流れは、事業所の方針にもよりますが、デジタル人材の育成をしながら、働きやすい環境つくりを検討します。その検討内容にあった介護ロボットやICT機器を導入していくという形に持っていくことが大切です。